私は2023年7月に58歳で、35年間勤めた会社を早期退職しました。
前回ブログ(FIRE(早期退職)ブログ⑩予想より多かった♪35年勤続でもらった退職金について)では、35年勤続した会社の退職金について書きましたが、今回は私の選んだ退職金の受け取り方についてお伝えしたいと思います。
以前のブログで年金にも税金がかかると書きましたが、退職金にも税金がかかります。
ただし、退職金の全額に対して税金がかかるのではなく、勤続年数に応じて退職所得控除を受けることができます。
勤続年数が20年を超える場合は下記の計算式で控除金額を算出します。
800万円+70万円×(勤続年数-20年)
※ただし勤続年数が20年以下の場合は40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)
私の場合は35年と3か月勤続ですが、3か月分は切り上げされるため、36年で計算します。
式に当てはめて計算すると、800万円+70万円×(36年-20年)=1,920万円が私の退職所得控除額です。
私の場合、退職金の受け取り方法は下記9通りから選ぶことができました。
〔受け取り金額の多い順に列挙〕
①退職一時金(1,300万)+第一退職年金100%(1,400万)+第二退職年金100%(300万)=3,000万
②退職一時金(1,300万)+第一退職年金100%(1,400万)+第二退職年金50%(150万)=2,850万円
③退職一時金(1,300万)+第一退職年金100%(1,400万)+第二退職年金0%=2,700万円
④退職一時金(1,300万)+第一退職年金50%(700万)+第二退職年金100%(300万)=2,300万円
⑤退職一時金(1,300万)+第一退職年金50%(700万)+第二退職年金50%(150万)=2,150万円
⑥退職一時金(1,300万)+第一退職年金50%(700万)+第二退職年金0%=2,000万円
⑦退職一時金(1,300万)+第一退職年金0%+第二退職年金100%(300万)=1,600万円
⑧退職一時金(1,300万)+第一退職年金0%+第二退職年金50%(150万)=1,450万円
⑨退職一時金(1,300万)+第一退職年金0%+第二退職年金0%=1,300万円
*数字は概算で退職一時金…1,300万円、第一退職年金…1,400万円、第二退職年金…300万円で計算しております。第一退職年金、第二退職年金の詳細については前回ブログ(FIRE(早期退職)ブログ⑩予想より多かった♪35年勤続でもらった退職金について)をご覧ください。
58歳の退職時点では、通常通り65歳から国民年金を受け取り、65歳までは退職金と預金を取り崩して生活する計画でしたので、⑦の受け取り方法を選びました。
第一退職年金は、終身年金(死ぬまでもらえる)として保証されており、長生きリスクに備えるために、退職時に一括で受け取るより100%年金として受け取った方が有利であると考えていたのです。
ところが退職後にいろいろと調べていくなかで、年金を繰り上げ受給して退職金を運用しながら暮らしていくという方法があることを知り、60歳になった時に第一退職金の50%を一括で受け取ることにしました。(私の会社では、60歳になった時に再度第一退職年金の受け取り方を選ぶことができたのです)
58歳退職時に⑦のパターンで退職金を受け取っているため、一度退職所得控除を受けましたが、320万の控除枠(退職所得控除1920万−58歳時の退職金受取り額1600万)が残っておりましたので、320万円の控除枠は今回に使えました。
したがって60歳時の退職金に対する税金の計算は、700万(第一退職金50%)−320万=420万、この420万の更に2分の1が課税対象の金額です。(私の場合約20万ほど税金がかかりました)
退職金を受け取る前に、90歳まで生きると仮定して年金の受け取りパターンをいくつかシュミレーションしましたが、税金や国民保険の計算が結構複雑だったので、どの受け取り方が一番手取りが多くなるのかはザックリとしか分かりませんでした。
いずれにしろ、退職金も年金も制度が複雑な上、将来の制度変更などもあるので、あまり厳密に計算しても意味がないのかなと感じました。
ひとつ言えるのは、退職所得控除は枠いっぱいに使って節税した方が良いということぐらいです。
会社によって制度が違うと思いますので、あまり参考にはならないと思いますが、退職金・年金は老後の生活を支える大事な資金ですので、自分がいくら退職金をもらえるのか、退職前によく調べておいたほうが良いと思います。
次回は、失業手当編です。