〔早期退職までの道のり〕
私は2023年7月に58歳で、35年間勤めた会社を早期退職しました。
前回(FIRE(早期退職)ブログ②ブラック企業 パワハラ社長からの脱出〜後編〜)までは早期退職をしたかった理由について書きましたが、今回からは早期退職までの資産形成について触れたいと思います。
FIRE(早期退職)ブログ①ブラック企業 パワハラ社長からの脱出〜前編〜にも書きましたが、退職を意識し始めたのは社長のセクハラにより部下が退職せざるを得ない状況に追い込まれた時でした。
その当時の私は40代後半で、住宅ローンは払い終わっていたものの、本格的な投資を始める前であったため資産のほとんどは預貯金が中心でした。
子供のいない夫婦2人の生活のため「退職してもぜいたくをせず、アルバイトをして稼げばなんとか食っていけるかな」と妻とも話し合い、「これからストレスを抱えながら今の会社にとどまるより細々とでものんびり暮らしていければ良いか」と楽観的に考えるようになりました。
人間不思議なもので、「会社をいつ辞めてもいいんだ」と覚悟を決めると、気持ちにも余裕が生まれ、いろいろなことに対し客観的にものごとを考えることができるようになるのですね。
会社では上司の言うことには絶対服従が基本で、反論などはもっての外。
サービス残業は当たり前、文句も言わずに朝早くから夜遅くまで働く従業員が評価されるような職場で働くうちに、自然と会社優先・仕事優先の思考をするようになっていた私。
会議の場などで正論を言っても大きな声で罵倒されて終わるだけなので、次第に会社や上司には逆らえない、何を言ってもムダと考えるようになっていました。
少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、今から考えると、入社した時から自然に会社優先の思考をするよう洗脳されていたのかもしれません。
今でこそ世の中も変化してきており、副業や転職なども以前に比べハードルが低く、情報量も多くなってきているので、会社を辞めたとしてもいろいろな選択肢が選べる時代になってきていますが、当時はFIREという言葉も無く、中途退職=会社に適合できない人ととらえる風潮であったように思います。
今でこそ崩れつつありますが日本は年功序列社会で、ひつとの会社で長く働いた方が、給料も退職金も多くもらえるし、上司の覚えめでたく出世すれば会社内でそれなりの地位を得、人によっては居心地のよい環境を得ることもできるでしょう。
特に40歳を超えた中高年については、転職を受け入れてくれる企業は少ないですし、給料も待遇も良くなることはありません(ヘッドハンティングされるような能力の高い人は別ですが)。
こちらに落ち度があるわけでもないのに、慌てて会社を辞めてあえて貧乏くじを引くことはないですし。
同じ退職をするにしてももう少し豊かな老後を過ごせるように、いつ退職しても生活に困らないよう節約と投資に本腰を入れて取り組もうと決意し、結果として今でいうFIRE(Financial Independence, Retire Early)を目指すようになりました。
投資を始めるにあたりBOOKSスタバ(TSUTAYAが運営している書店併設のスタバ)でマネー雑誌を読んだり、YouTubeを見て投資について調べるなどして、ネット証券で口座を開設して株式投資をスタートさせました。
最初は何を買ったら良いかも分からず、雑誌に紹介されていた株や食事券がもらえる株主優待つきの株を買ったりと手探り状態です。
株式投資を始めた翌年くらいに、タイミングよく旧NISAが始まったこともあり、インデックス型投資信託の積み立て投資を中心に、個別株についても高配当株などを買いはじめ、徐々に投資の額を増やしていきました。
妻も扶養の範囲内でアルバイトをしていたので、生活費以外のお金を2人で年間400万円~多い時には500万円くらいを貯蓄&投資にまわす生活に突入。
当時はアベノミクスがスタートし、経済が上向いた時期でもあったため、株価も上昇基調にあり投資には良い環境だったことも追い風になり資産も順調に増えました。
その後も株価は上がり下がりはありましたが、投資信託の積み立て投資中心のほったらかし投資を続けたおかげで、50代半ばを迎える頃には老後安心して暮らせるだけの資産を持つことができました。
次回は、老後資産を蓄えるにあたり実施してきた貯蓄・投資方法について具体的に書きたいと思います。