〔早期退職までの道のり〕
私は2023年7月に58歳で、35年間勤めた会社を早期退職しました。
前回ブログFIRE(早期退職)ブログ④ブラック企業からの円満退職〜家計の固定費 節約編〜では家計固定費の節約について書きましたが、今回は節約して貯めた資金を使った投資についての話です。
投資をはじめようと思ったのは、住宅ローンの完済が見えてきた2006年頃でした。
投資は素人が手を出すと危ないものと何となく思っていましたが、銀行に預けていても金利がほとんど付かない世の中になっていたので、本屋へ行き「日経マネー」などの投資系雑誌を手に取り情報収集をしていました。
そんな中、雑誌に掲載されていた「さわかみファンド」の記事を読み、投資信託に興味を持つようになりました。
投資信託とは簡単に言うと「投資のプロに株の運用を任せられるため株価の動向を常に気にする必要が無く、長期間分散積み立て投資を続けていればリスクを低く抑えることができる。したがって仕事をしているサラリーマンに適した投資である」という内容でした。
株式投資については何の知識もなかったので、定期預金代わりにとりあえず記事に出ていた「さわかみファンド」で投資信託をやってみようと思ったのです。
まずはお試しのつもりで月3万円から積立投資をスタート、最初のうちは基準価額も右肩上がりで含み資産も順調に増えていきました。
半年ほど様子をみて思ったよりも好調だったので、毎月の積み立て金を5万円増額し8万円に。
しかし順調だったのは最初だけで、積立投資を始めて約2年後の2008年9月にリーマンショック、更に翌2009年の民主党政権誕生といった国内外の大きな出来事により、株価は大きく低迷してしまいます。
それでも、さわかみファンド創始者である澤上篤人氏の「株価暴落時こそ長期投資家は動じず淡々と買い続けるのみ」という言葉を信じ、含み損は極力見ないようにして4年間積立投資を続けていきました。
ところが、2012年の年末には含み損がついに100万円を超えてしまいました。
さすがにこの時は投資を続けていく勇気がなくなってしまい、、積み立てを停止しました。
そうこうしているうちに状況は一変。2012年末の選挙で自民党が政権に返り咲きアベノミクスと言われる経済政策を実施したところから株価は回復基調となり、保有していた投資信託もようやくプラスに。
2013年には株価も大きく回復したので一旦利益を確定。やきもきしながら約6年間続けた投資信託も終わってみれば、積み立て額500万円で約130万円の利益(利益率約26%)を上げることができました。
株価が低迷していた時期は本当に気が気ではありませんでしたが、最終的に利益を得られたため、投資信託による長期投資であれば利益が出る確率は高いと確信するようになりました。
2014年には(旧)NISA制度がスタート、また、楽天証券やSBI証券といったネット証券も手数料の安さをセールスポイントとして台頭してきて、投資環境が格段に整ってきたことも追い風となりました。私もその流れに乗ってSBI証券でNISA口座を開設し、新たな投資を始めることに。
投資にも少し慣れてきたため、NISA口座では投資信託以外に配当利回りの良い商社株や、食事券やカタログギフトがもらえる株主優待の魅力的な国内株を主に購入していきました。
当時は株主総会に参加すると、その企業の商品の詰め合わせなどお土産がもらえることもあり、そういったお得感も含め楽しんでいたのです。
(旧)NISAは年間120万円までと投資額の上限が決まっていたため、投資資金に余裕がある時には特定口座で低コストの投資信託であるeMAXISシリーズを定期預金のように積み立てていました。
バイアンドホールド(ほったらかし投資)を基本スタンスとして投資を続けたおかげで、株価の上がり下がりはあったものの毎年着実に資産は増え、50代半ばには準富裕層に入る資産を形成することができました。
もし投資をせずに貯金だけで資産を築こうとしたら早期退職はできなかったでしょう。
私のように高収入でもない普通のサラリーマンが早期退職するためには、節約と投資は必須だと思います。
投資はなるべく若いうちに始めた方がリスクを軽減でき、成功する確率も高くなると思いますが、投資信託の積立であれば50代から始めても決して遅くはないと思います。
投資をすることは、将来のインフレに備えるといった意味でも有効な対策ですし、資産運用しながら使えば資産寿命を延ばすことができ、長生きリスクにも備えることができます。
次回は、退職後に意外とかかったお金について書きたいと思います。